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都内のターミナル駅周辺などで、スカーフを…


 都内のターミナル駅周辺などで、スカーフを被った女性をよく目にするようになった。インドネシアやマレーシアからの旅行者らしい。経済成長を背景に、これらの国のイスラム教徒の観光客が増加している。

 そんな旅行者を見るたびに、食事で苦労していないかな、と少し心配になる。イスラム教の戒律では豚肉を食べることが禁じられている。戒律に則ったハラル認証のレストランは、日本ではまだまだ少ない。

 戒律といっても、国や地域、あるいは個人によって差がある。中央アジアのウズベキスタンはイスラム教国だが、かなり世俗化されており、酒を飲む男性も多い。それでも、豚肉はまず口にしない。

 日本に留学中のウズベク人に、昼食にハンバーガーをご馳走しようと店に入った時、「肉は合い挽きではないでしょうね」と聞かれた。牛と豚の挽き肉を合わせた「合い挽き」などという言葉が、留学生の口から出てきたことに驚いた。豚肉のタブーをそれほど気に掛けているのである。

 先月下旬、山梨県の河口湖近くにイスラム教徒向けの宿泊施設がオープンした。そこではハラル食品が提供され、礼拝堂があるだけでなく、各部屋にメッカの方角(キブラ)を示す印もあるという。

 中国人旅行者の爆買いも一服。観光客は多様な国々から呼び込みたい。世界には16億のイスラム教徒がいる。旅行業関係者は、もっとハラルに関心を持つ必要があるだろう。