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熊本地震で約9万人の人々が避難生活を送る…


 熊本地震で約9万人の人々が避難生活を送る重苦しさと、復旧への焦る思いが日本列島を包んでいる。一方でボランティアの活動が本格化し、明るい兆しも見えてきた。そこへ飛び込んできたのが新潟県佐渡でのトキの純野生ひな40年ぶり誕生のニュース。

 ひなの両親は共に、放鳥されたトキから2013年に生まれた。ひなは放鳥から数えて3世代目だ。

 「江戸っ子」の条件は、3代が江戸に住むことと言われる。江戸は地方からの流入者が多かった。地方から出てきた1代目は論外として、その地方の匂いが抜けきらない親の元で育った2代目も、生粋の江戸っ子から見ると、江戸っ子気質が身に付いていないと感じられたのだろう。

 3代目と言えば、江戸中期の有名な川柳がある。「売り家と唐様で書く三代目」。

 初代は文字を習う暇もないほど夢中になって働き、財を築く。2代目はその親の苦労を見ているから、金持ちだからといって、浮ついた暮らしはしない。しかし3代目は先々代の苦労を知らないので、遊芸に溺れ、家を売りに出す。その売り家札は洒落た唐様で書くというものだ。

 トキも放鳥された1代目が、野生に慣れるため一番苦労しただろう。いずれにしても3代目ともなると、与えられた環境が当然と思い行動する。野生トキの場合は、川柳の3代目と逆で、生まれた時から厳しい環境だ。きっとたくましく育っていくだろう。