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われわれがよく目にする世界地図では、…


 われわれがよく目にする世界地図では、北極海に面するグリーンランド(デンマーク領)が、あたかも大陸のように広く見える。これはメルカトル図法と言って、緯度が高くなるほど大きく描かれている。

 実際は約217万平方㌔㍍で、日本(約38万平方㌔㍍)の5・7倍ほどの面積。冒険家の故植村直己さんが1974年から76年にかけ、この島からアラスカまで犬ぞりで1万2000㌔の旅をしたのは有名で、これまで氷に覆われた地として知られていた。

 ところが、このところ地球温暖化のために北極圏の氷が解け始め、この地に眠る膨大な地下資源に、にわかに熱い視線が投げかけられている。グリーンランド議会は最近、ウラン採掘を解禁する方針を可決した。

 ウランに付随するレアアースの開発にも道を開くもので、商業化されれば中国が独占する世界のレアアース市場の4分の1を担うことも可能とされる。そうなれば、わが国の産業界にも大きな影響を与えよう。

 既に採掘をめぐって、多数の中国人労働者の流入が予想されており、当局にも警戒感が出ている。デンマークからの独立問題なども絡んでいて「氷の島」が揺れている。

 グリーンランドを含め北極圏と言えば、米国や中国、ロシアなどが原油や天然ガス、鉱物など地下資源の確保さらに軍事利用に関する動きを加速させている。日本も北極圏の国家戦略構築を急ぐべきだ。