世界日報 Web版

「漁る」はあさる、すなどる、いさる、と…


 「漁る」はあさる、すなどる、いさる、と三つの読み方がある。どれも魚や貝をとるという意味だが、そのニュアンスが微妙に違う。日本人の漁業への関わりの深さは言葉にも表れている。

 漁業は古代から重要なたんぱく源を供給する役目を果たしてきた。日本人の魚好きはここから来るのだろう。それだけに調理、さらに漁獲、管理の手法は世界に例を見ないほど巧みだ。

 現在、水産資源減少を食い止めるため、国際的な取り組みが相次いで進められている。先般「北太平洋漁業委員会(NPFC)」の初会合が都内で開かれた。日本のほか、中国、台湾、韓国、ロシア、カナダの6カ国・地域が参加し、サンマの資源保護で合意した。

 札幌での「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」の小委員会では、生後1年未満のクロマグロが大幅に減少した場合、緊急に漁獲規制するルールの導入で一致した。魚介類の国際管理にも、日本が大いに指導力を発揮してほしい。

 憂うべきは漁業人口の急激な落ち込みだ。総務省統計局によると、2013年時点で18万人、15年前に比べ35%も減った。高齢化が進行しており、今後どうなるか心配な状況が続く。

 わが国の漁業は世界的な200カイリ体制の下、ひよわな第1次産業の一つとなってしまった。世界一と言われた日本漁業の不振は何とも寂しい。漁業振興は、地方創生につながる町おこしの大きなテーマでもある。