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中央アジアのウズベキスタンは、かつて…


 中央アジアのウズベキスタンは、かつてシルクロードの中継地として、養蚕業が盛んだった。今も農家の副業として続けられているが、蚕の卵である蚕種を中国から輸入しているため、十分な収益に繋がらないという問題がある。

 そんな養蚕業を復興させる国際協力機構(JICA)の草の根支援事業が東京農工大学(東京都小金井市)と同国国立養蚕研究所によって行われている。高品質な日本の蚕の品種と養蚕技術を同国に移植しようというもの。特産の絹織物アトラスを用いた新商品の開発も支援している。

 このプロジェクトの報告会が、東京農工大学の科学博物館で行われた。2003年から同国で養蚕指導に当たってきた飯久保誠同大客員教授によると、幸い日本品種の飼育は成功し、繭の質・量とも優れていることが実証された。

 同研究所のウスマノフ・シャフカット所長は、日本品種の蚕種を自給できるようにし、「近い将来、ウズベキスタンで作られた生糸で日本のきものが織られるのが夢」と語る。

 きもの用の生糸は大半が中国から輸入され、その価格が高騰している。ウズベクが供給地に加われば日本にとってもプラスだ。

 昨年6月、群馬県の富岡製糸場が世界文化遺産に登録された時、同国の国営観光会社ウズベクツーリズムから群馬県に祝福のメッセージが届けられている。シルクを通じた草の根交流が、両国の産業振興に繋がるといい。