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夏休みは美術館めぐりのシーズンで…


 夏休みは美術館めぐりのシーズンで、各館とも海外の名作や巨匠作品などをそろえた特別展などで鎬(しのぎ)を削っている。そんな中で東京・白金台の東京都庭園美術館は、直線と立体の知的構成で調和したアール・デコ建築の同美術館自体を鑑賞する展示で魅了させられた。

 題して「アール・デコの邸宅美術館」展である。旧朝香宮邸の美術館は昭和8(1933)年4月の竣工から80年余の時を経た今年、国の重要文化財(建造物)に指定された。

 昭和22年まで朝香宮邸、同29年まで吉田茂外相・首相公邸、同49年までは国・公賓らを迎える迎賓館として昭和の歴史を彩ってきた。都の所有となったのは同56年からで、同58年10月から庭園美術館となり一般公開されてきた。

 そんな由緒から、これまでも建物自体を鑑賞する企画は時に応じて行われてきた。それでも、昨年秋まで約3年間にわたる改修工事で休館後では初めてとなる今回ほど、建物の魅力をたっぷり引き出した企画はなかったのでは。

 それは同展を構成するもう一つのタイトル「アール・デコ・コレクターズ」展で、収集された当時のテーブルや椅子などの家具やこれまた3年がかりで修復された同館シンボルの香水塔などが、室内とその装飾と見事に調和して置いてあるから。

 宮家私用の2階の各部屋も「それぞれ異なる照明器具が使われている」(大木香奈学芸員)など見どころは多い。9月23日まで。