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長野市で七夕飾りの中に安全保障関連法案…


 長野市で七夕飾りの中に安全保障関連法案などに反対する垂れ幕を設置したものの、市民の批判が寄せられた市からの連絡を受け、設置者が撤去するという珍事が起こった。

 七夕祭りでこうしたことをするのは異様な話で、祭り全体が特定の政治思想に従って行われたと誤解される可能性もある。もっとも市は批判があったことを伝えただけで、撤去を要請したわけではない。

 最近送られてくる文芸同人誌に、安保法制反対を含む特定の政治思想を宣伝するビラが同封されていることが多くなった。受け取る側は「この雑誌は政治目的で刊行されていたのか!?」との疑問を抱いてしまう。むしろ逆効果ではないかと思えるのだが、この種のプロパガンダはなかなかなくならない。

 昭和初期には、プロレタリア文学が盛んだった。プロレタリア文学にあっては、文学は政治に従属し、奉仕するものとされた。

 戦後、そうした政治中心主義は否定されるべきものと考えられるようになった。文学を含めた芸術は、特定の政治目的からの自立を求められたのだが、昨今の一部同人雑誌の偏向は、時代が80年前に戻ってしまったかの感がある。

 日本ペンクラブも最近は、一方的な政治思想にのめり込んでいるかのようで、文学と政治が一体化しつつあるように見える。「安保法制に反対するためなら何でもあり」の風潮は文学や芸術にとっての自殺行為だ、との最低限の自覚が欲しい。