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週末、高崎から上越線で水上を通り、谷川岳…


 週末、高崎から上越線で水上を通り、谷川岳下の清水トンネルをくぐると雪の越後湯沢である。東京では上野公園の桜がほぼ満開となったが、塩沢、六日町、小出駅と北上するコシヒカリの魚沼市は豪雪地帯の名の通りの雪国が残っていた。空は青空だが、線路や道路脇に壁を作る雪の凄みに圧倒される。

 谷川岳を越えると「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」(川端康成『雪国』)という世界。群馬と新潟は隣接しているが、連なる山岳が冬の北風を遮る屏風となり、群馬には空っ風、新潟には豪雪をもたらす。

 小出から只見線に乗り換え、会津若松に抜ける予定だったが、雪に阻まれた。只見駅から会津川口駅までは代行バス運行区間というのも楽しみだったが、小出から50分ほどの大白川駅で折り返し運転だった。只見はその一つ先の駅だが、この区間に雪崩の恐れがあると臨時運休に。

 道路だけはきれいに除雪された大白川では散策で時間をつぶし小出に戻ったが、不満はない。それほど大白川や車窓から眺めた雪山連山の絶景を堪能したから。

 時には都会の喧騒を離れ、雪国の心に染み入る静かな銀世界の中に分け入るも悪くない。「北越雪譜」で知られる江戸末期の作家・鈴木牧之は塩沢の出身で、代表作に「そっと置くものに 音あり 夜の雪」がある。

 桜満開の季節もいいが、真っ白な雪の静寂の世界に身を置いて大自然の営みにそっと耳を傾けるのもいい。