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31日のハロウィーンを前に、デパートや…


 31日のハロウィーンを前に、デパートやスーパーなどで菓子や仮装グッズなどが置かれるようになった。よく行くパン屋さんの棚に、ハロウィーンのカボチャを象(かたど)ったメロンパンが並んでいるのを見て、ここまできたかと思った。

 いまや、わが国におけるハロウィーン市場は、1000億円を超える規模らしい。ホワイトデーの640億円を既に超え、バレンタインデーの約1300億円に迫る勢いという。

 誰が仕掛けたのか知らないが、新しい市場を生み出すという面では成功だろう。しかし、欧米の風習を無批判に真似するのはいかがなものか。

 ハロウィーンはキリスト教受容以前のケルト社会に起源を持つ。ケルトの1年の終わりにあたる10月31日、先祖の霊が家族を訪ねてくると考えられ、その時一緒に来た悪い霊を追い払うため、お化けカボチャを飾ったり、自分が誰か分からぬように変装したりする。

 魔女やお化けに変装して騒ぐパーティーが日本でも流行(はや)っているが、悪霊を追い払うというより自分も悪霊と一緒になって騒いでいるようだ。カトリックで翌11月1日が「諸聖人の日」とされていることは忘れられている。

 日本のお盆やお彼岸のように、篝火(かがりび)を焚(た)くなどして先祖の霊を迎えるのとは随分心持ちが違う。宗教・文化を超え、何でも受容するのは日本人の優れた能力である。しかし、それが表面的、つまみ食い的になりがちなことも忘れてはならない。