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「行春(ゆくはる)や撰者を恨む歌の主」…


 「行春(ゆくはる)や撰者を恨む歌の主」(蕪村)。ゴールデンウイークを迎えた。きのうは関東地方も晴天となり、初夏を思わせる陽気で蒸し暑かった。このところ寒暖の差が激しく、衣服を半袖にするか長袖にするか悩んだ人も、この天気では選ぶのに迷いはなかっただろう 。

 かつて日本人は欧米と違い働き過ぎの傾向があって、休みをどう過ごしていいか分からない人が多かった。しかし、今では自分なりのスタイルで楽しんで恩恵を享受する人が増えているのではないか 。

 今回は平日と休みが交じる飛び石連休のために、遠くへ行くよりも近郊の温泉やレジャー施設、海外旅行でも近距離の東南アジアなどが人気が高いようだ 。

 近場であろうがどうであろうが、まとまった休みを取れる数少ない機会である。この期間を家族でどう過ごすのか、あらかじめ綿密な計画を立て、楽しみにしていた人は少なくないだろう 。

 とはいえ、休みを取れる人ばかりではない。宿泊客を迎える旅館やホテルなどの接客業の人、鉄道や飛行機など交通機関で仕事をしている人、生活を支える産業やその他のインフラを維持するために働いている人々にとっては、むしろ繁忙期になるかもしれない 。

 まさに「駕籠(かご)に乗る人担ぐ人そのまた草鞋(わらじ)を作る人」という日本の言葉にある通り、さまざまな人々がいてこそ社会が成り立つ。そのことを知って大型連休を過ごしたいものである。