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調査捕鯨船「日新丸」を保有する共同船舶…


 調査捕鯨船「日新丸」を保有する共同船舶株式会社が先日、東京都渋谷区のトルコ文化センターで「クジラ料理試食会」の催しを開き、参加者に鯨の刺し身がふるまわれた。

 イスラム圏と鯨肉の縁は深く、預言者ムハンマドの言行録に、神が恩寵(おんちょう)として人々に鯨肉を与えたと記されており、ムスリムには神による食物だ。ハラル認証(イスラム圏向け食品製造管理の許可証)を得た同社が、来る東京五輪の観光客誘致の際の食材選びで選択肢の一つにとPRした。

 試食したパキスタン人で貿易業のアブダル・アラインさん(49)は「町に出回っていないので、ほとんど食べません。でも三重県に行った時、鯨の(握り)寿司を食べました」とまんざらでもない様子。

 世界で鯨にまつわる伝統文化を持ち捕鯨をしているのは日本、ロシア、ノルウェー、アイスランド、フェロー諸島(デンマーク自治領)、カナダなど。イスラム圏が支持すれば“味方”が一挙に増える。

 捕鯨反対の急先鋒(せんぽう)ニュージーランドは「捕獲することは絶滅につながる」の一点張りだ。日本鯨類研究所理事長だった故長崎福三博士が「全然科学的でない。文化の違いが、鯨だけでなく一般の漁業問題に波及する恐れもある」と語っていたのを思い出す。

 オーストラリアが日本の調査捕鯨中止を求めて起こした訴訟の判決がきょう、国際司法裁判所で下る。冷静で合理的な判断を求めたい。