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【上昇気流】読書の秋


読書の秋である。11月9日まで読書週間だ。この機会に本を読もうと思う人もいるかもしれない。最近の読書は、電子書籍の登場で読み方のスタイルも変わっている。

ステイホームで需要が増えたのだろうが、本を読むということでは紙も電子も本質は変わらない。以前に気流子は人にお勧めの一冊を聞かれたことがあるが、これに答えるのはなかなか難しい。自分が感動した本を勧めればいいというのであれば簡単だが、果たして人も自分と同じように感動できるのか。

なぜなら、さまざまな本を読んできた遍歴の上での感動だから、そのプロセスを飛ばしていいというものではないのだ。といっても、推薦する本がないわけでもない。

だいたいは評価の定まった古典を挙げることでお茶を濁しているのだが、古典を面白いと思うようになるまでには時間がかかる。気流子が古典のうちで印象的だったのは、デカルトの『方法序説』である。

最初の方に、書物を読み尽くしたのち、今度は世間という書物を読むために旅に出るという文章があり、それに感銘を受けたことを覚えている。本を読んで知識は得られるけれど、それが生きた知恵になるためには、実際の体験や経験というものが必要である。

きょうは総選挙の投票日である。いろいろ政治談議をすることは大事だが、国の将来を担う議員を自ら選ぶ行動も重要だ。政治に参加するための投票が、世間という本を読む第一歩である。