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<故郷やどちらを見ても山笑ふ>子規 例年…


 <故郷やどちらを見ても山笑ふ>子規 例年なら山々の木々が淡い緑の若芽を吹いて、やさしく明るい色を帯び、山全体が微笑むように春の訪れを喜ぶ季節。土の湿り気に眠っていた虫が穴から這い出すころをいう啓蟄は6日だったが、どちらの春も空振りのようだ。

 同じ厳冬でも昨年の今ごろは、暦通りにもう春爛漫で、桜の記録的早咲き(東京16日)が話題となったほど。全国の3月の平均気温は観測史上最も高温だった。

 それが一転して今冬は、長く続く寒気の厳しい日々。一昨日も一部で雪が降った東京では、先月の立春あとの週末に、2週続き2度もの大雪に見舞われた。27センチの積雪は45年ぶり、戦後4番目の記録に。

 体育館の屋根が落ちたり、私鉄が追突事故を起こしたり、陸や空の交通機関が大混乱した。暦では氷が解けて水になるという雨水も啓蟄も、しぶとく居すわる冬に閉口しながら過ぎた。

 今は春分の日が待ち遠しいこのごろで、昨日の気象ニュースは「この寒さも今日まで我慢すれば、明日からは」と希望を持たせる。ウェザーテックの「生物季節観測」でも、開花便りとともに今月は野鳥便りなども増えてきた。

 ウグイス初鳴(2日奈良、4日広島、8日鹿児島、9日長崎)、ツバメ初見(4日鹿児島、7日長崎)、ヒバリ初鳴(4日鹿児島、6日津、8日岐阜)、モンシロチョウ初見(4日高知、8日大分)など。春の東上を告げ、山笑うのも近い。