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千葉市議会は9月定例会の一般質問を中止する…


千葉市役所本庁舎(千葉県千葉市中央区-Wikipediaより)

千葉市役所本庁舎(千葉県千葉市中央区-Wikipediaより)

 千葉市議会は9月定例会の一般質問を中止する。新型コロナウイルス感染を防ぐため議場での対面の質疑を止(や)め、代わりに議員の質問は文書形式で900字程度。再質問は認めないという。これで市民の声が行政に届くのか。他の議会からこんな話は聞かない

 地方議会には年4回の定例会があり、本会議では会派の代表質問のほか、議員個人の一般質問がある。首長相手に丁々発止の渡り合いがあったり、地元の陳情があったり、話題は多岐にわたって議場が沸く。千葉市議会では25人の質問が予定されていた

 わが国の最初の議会は地方議会だ。明治維新後、自由民権運動が高まり明治11年に府県議会が設けられた。国会より12年も早い

 東京府会の初代議長は「東京日日新聞」(後の毎日新聞)主筆の福地源一郎、副議長は福沢諭吉。議員は沼間守一など、そうそうたる顔ぶれだった。福沢は「三田演説会」、沼間は「嚶鳴(おうめい)社」で輿論(よろん)を起こした。近代日本は東京府会の議論をもって始まったと言っても過言ではない

 英政治家のジェームズ・ブライスは「地方自治は民主政治の最良の学校、その成功の保証人」と述べている。とりわけ言葉を磨き、発信力を培うのが一般質問だ。それがない議会は民主政治を危うくする

 そう言えば、菅義偉首相は横浜市議会議員として政治家の道を出発した。地方議員の出世頭の割に発信力が不足したのは残念至極。議員の皆さん、一般質問を軽んずるなかれ。