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漢字の祖国中国では今、翡翠(ひすい)の…


 漢字の祖国中国では今、翡翠(ひすい)の「翠」の字が「禁止用語」になっているという。芥川賞作家・楊逸さんと中国文学者・劉燕子さんの対談本『「言葉が殺される国」で起きている残酷な真実』の中で語られている。

 翠は「羽」の下に「卒」が付いているが、習近平国家主席の「習」は中国の簡体字では「习」。「卒」は亡くなるという意味だから「习」が二つに「卒」で「習近平は2度死ぬ」という意味になる。

 中国ではかつて、皇帝の諱(いみな)を畏れ敬い、地名や名前に使われている時は別の字を当てる避諱(ひき)という慣習があった。例えば漢の初代皇帝の名は劉邦だったので、宰相を意味する「相邦」は「相国」に改められた。

 「翠」の禁止は、これと基本的に変わらない。習主席の「皇帝化」が着々と進んでいることの表れだ。「思想と言論の弾圧は、『翠』という単なる一文字が使えなくなるというくらい、いっそう激しくなっています」と劉さん。

 中国の小中高校では9月の新学期から、習主席の指導思想に関する授業が始まる。「中華民族の偉大な復興」などの目標が解説された教材の名前は「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想学生読本」。かつての「毛沢東語録」を彷彿させる。学校教育でも習主席への個人崇拝を進めようという狙いだ。

 米軍が撤収するアフガニスタンでは、中世的な価値観のイスラム主義組織タリバンが政権を奪還しつつある。歴史の歯車は、時に大きく逆戻りすることもある。