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物理学の泰斗である益川敏英氏(享年81)と…


 物理学の泰斗である益川敏英氏(享年81)と米国のスティーブン・ワインバーグ氏(同88)が亡くなった。2人とも原子核の構造解明に努め、20世紀の原子核物理学の確立に大いに貢献した。

 益川氏は素粒子のクォークが6種類あることを予言し、後に証明され2008年にノーベル物理学賞、ワインバーグ氏は電磁気力と弱い力を統合する理論を完成させ、1979年に同賞を受賞した。いわゆるビッグバン宇宙論に基づき、今日われわれが眺めている宇宙の姿を分かりやすく説明した。

 ワインバーグ氏の神観も興味深い。「自分が特別な専門家だという主張はまったくするつもりはない」と断りながら、著書『究極理論への夢』で次のように主張している。

 「自然の法則と宇宙とを確立しただけでなく、善悪の基準を確立した。創造主・立法者であり、我々の行動を気づかう何らかの人格者であり、要するに我々が崇拝するのに適した何かである」と。

 今日、原子力技術は情報、通信分野をはじめ医学など他領域の科学技術の進展をその根幹で支える存在となりつつある。「原子力時代」の到来は間近だと言って差し支えないだろう。

 ただ原子力というと原子力発電しか思い付かない人もいるようで、人類文明における原子力の必要性をめぐって、ややもすれば上滑りの議論が行われているように見える。科学者が科学の価値について、もっと積極的に説くことが重要ではないか。