世界日報 Web版

「むすんでひらいて」。誰もが聞き覚えのある…


 「むすんでひらいて」。誰もが聞き覚えのあるこの曲を作ったのは、18世紀のフランスの思想家ジャン=ジャック・ルソーだ。フランス革命の恐怖政治を招き入れたとの批判もあるが、「ジェンダー平等」の喧騒(けんそう)があるたびに、著作『エミール』の一文が思い浮かぶ。

 「最初の教育はもっとも重要なものであり、それは明らかに女に属している」「もし、自然の創造者が教育が男のものであることを欲したら、それは子どもを養うための乳を男に与えたであろう」(中里良二著『人と思想 ルソー』清水書院)。

 教育を意味するフランス語の「エデュケーション」は古代においては「乳を与えて育てる」という意味を持っていた。教育が生まれた時から始まる限り、子供の最初の教師はそれを生んだ母親。そうルソーは主張している。

 今、同じことを言えば「性別による固定的役割分担」との批判にさらされるだろうか。しかし、現に男には「乳」が与えられていない。それ以前に赤ちゃんを胎内で育てることもできない。これは厳然たる「固定的役割分担」ではないのか。

 「性別のない世界」は漫画の中にあっても現実にはない。聖書には「神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された」(創世記)とある。

 男と女の性は、いずれも神のかたち。そう思えば、互いに尊重し合う態度が生まれてくる。それが「自然に帰れ」。むろん自己流の解釈である。