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三菱電機が鉄道車両向けの空調設備やブレーキ…


 三菱電機が鉄道車両向けの空調設備やブレーキ部品の検査で不正を行っていた。一部は35年前から続いていたという。データを偽装するためのプログラムまで作成していた。

 35年前の1980年代というと、わが国の弱電製品・部品に対する需要はまだまだ大きく、今日の消費者の多くが「いま、特に買いたいモノがない」と言い、市場が飽和状態にあるのとは正反対の時代。メーカー間の競合はずいぶん激しかった。

 「品質管理」が問われ、その徹底が一流メーカー(ブランド)の証しだった。ところがその後、市場のグローバル化が進む中、品質のうちに包含されていた「安全性」という要素が客観視され計測化されるようになった。

 今回辞任する三菱電機社長の記者会見の中で、顧客に無断で検査方法などを変更したことについて「契約違反に当たるが、法令違反にはならない」(常務執行役)と言っていた。「品質管理について(社外の者に)とやかく言わせない」という考えのようだが、これは通用しない。

 およそ人間の手に成る製品で、絶対安全なものは存在しない。そこで今日、航空機の設計や開発などは「大事故が起こらないうちに安全性を阻害する原因の連鎖を断ち切る」(『現代の航空輸送』勁草書房)という手法を取る。

 製造会社と運航会社とは設計の段階からコミュニケーションを重視している。こういう考え方は他の製造業やサービス業の間にも広がっていくだろう。