世界日報 Web版

かつて梅雨の時期に見られたものに、ナメクジ…


 かつて梅雨の時期に見られたものに、ナメクジがいる。よく木の幹や葉、家の壁などをはい回っているが、いつも突然に現れる印象を受けた。そして、いつの間にかいなくなってしまう。そのあたりがちょっと気味が悪く不思議な感じだった。

 ナメクジを見つけると、塩を掛けて対処したことを覚えている。塩に水分を吸収されたナメクジが縮むのが子供心にも不思議だった。

 ナメクジと似ている生物ではカタツムリがいるが、そのイメージは対照的だ。カタツムリは丸い殻を背負っているので、どこか愛嬌(あいきょう)が感じられる。のろのろと移動するところも同じ。

 小学校などで学んだ文部省唱歌「かたつむり」の「でんでんむしむし かたつむり/おまえのあたまは どこにある/つのだせやりだせ あたまだせ」もよく歌っていた。昔からカタツムリはそれほど親しみを持たれてきた。

 残念ながら、ナメクジの歌というのはあまり聞かない。それだけナメクジは嫌われているのかもしれない。カタツムリは雨の季節には欠かせないものだったが、都会生活をしていると、いつの間にか見掛けなくなった。

 都会の環境は、カタツムリのような生物には住みにくいのだろう。とはいえ、蚊やハエ、ゴキブリ、アリなどは今もどこにでもいる。自然は確かに生き物の宝庫だけれど、人間にとっては害虫となるものもいる。自然との共生とはいうものの、そのあたりのバランスの取り方が難しい。