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介護保険制度の開始は2000年度。従来、生命…


 介護保険制度の開始は2000年度。従来、生命保険などが現金給付だったのに対し、介護サービスという手間も暇もかけた“現物支給”のアイデアを取り入れ始まった。20年も続くのは他の医療とともにあり重宝されているからだろう。

 その後サービスの種類も増えたが、被介護者も増加。今年4月に改定された65歳以上の介護保険料の全国平均は、厚生労働省の集計で月6014円と、当初(2911円)の約2・1倍に膨らんでいる。

 サービスを受ける高齢者家族から、最近「訪問看護やホームヘルプで、賄い人的な時間決めの対応が多くなった」「食事補助などももう一工夫があってもいい」という不満の声を聞いた。日々、介護に当たる家族の事情、スケジュールや、被介護者本人の食事の好みなどを考慮してほしいという。

 ホームヘルパーらの派遣人材が豊富でない分、この種の話は以前から聞こえてきた。スタッフの質の問題であり、家族らの要望はもっともだと思う。

 「介護は在宅介護を目標に、家族だけでは難しいその内容を手助けする」というのが介護保険制度の趣旨で、今も変わらない。もっと言えば、家族らが介護を続けながら円満な家庭、家族関係を再生するという願いがある。

 介護スタッフの教育を徹底し、介護に携わる家族との十分な連携を目指すべきだ。介護サービスの特徴が生かされなくなると制度への疑問もより強まってこよう。公的介護の高い理想を実現させたい。