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全国の自治体に向けた新型コロナウイルス…


 全国の自治体に向けた新型コロナウイルスワクチンの発送、接種の予約受付が始まった。しかし、各地で電話予約が殺到して回線がパンク。ある地域では、インターネットでの予約方法が分からない高齢者らが地元区役所に詰め掛けたりした。

 また政府は1日1万人規模の接種を目指し、5月24日から3カ月間、東京・大手町の合同庁舎に接種会場を据えることを決めたが、これもずいぶん遅い対応だ。既に接種の予行演習で、相当の混乱が起きるだろうことは十分予測できたはず。

 コロナ感染防止対策では、これまで政府・自治体と国民の連携がうまくいき、他国に比べ死亡者数がぐっと抑えられた。しかし、ワクチンの供給・接種体制には手際の悪さが目立っている。

 それには幾つか理由があろう。米英両国や中国、ロシアなどは、ワクチンを安全保障上の戦略物資として扱い、世界的大流行が起きると、種類の似た病原体のワクチンを応用し、短時日に目指すワクチンを大量生産する体制が整っているとみられる。日本にはない取り組みだ。

 またワクチン接種で感染者数が急減したイスラエルでは、保健維持機構(HMO)による国民の健康情報管理が徹底し、今回は接種対象者の振り分けがスムーズに行えたという。しかもコロナ禍を「準有事」と位置付け、軍が対策の前面に立った。

 日本はワクチン供給など有事における危機管理の甘さを露呈したというほかない。大いに反省すべきだ。