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新型コロナウイルスの感染拡大で、今年も…


 新型コロナウイルスの感染拡大で、今年も緊急事態宣言下の大型連休となった。予定した国内旅行をキャンセルした人も少なくないだろう。ただ昨年と比べると、宣言後に東京から都外に出掛けた人は45%ほど増加しており、「行楽、帰省は控えていただきたい」と菅義偉首相は呼び掛けている。

 せっかくの休みに地元で「非日常」を味わおうと、昨年は東京に住む人が「Go To トラベル」を利用して都内の高級ホテルに宿泊するのが人気を集めた。

 エッセイストの玉村豊男さんが『旅の流儀』(中公新書)で「住んでいる町のホテルに泊まると知らない街を旅している気分になる」と書いている。

 都心のホテルに泊まって、上階の大きな窓から外の風景を眺めてみると、場所によっては皇居の緑が手に取るように見えたり、新宿御苑がこんもりした山のように映ったりする。「東京に住んでいて東京の地理はよく知っているつもりでいても、角度を違(たが)えて見た風景はまったくの別物のようである」という。

 銀座で飲んで銀座のホテルに泊まった翌朝早く起きて街を歩いてみると、パリを旅して早朝のパリを歩く気分に似ているという。数え切れないほどの国内外旅行をした人の言葉は一味違う。

 今どき、県内の旅行で1泊する人は少ない。しかし、よく知っている隣町でも、ホテルや旅館に泊まると新たな発見は多いはずだ。「ディスカバー・ネイバリング・タウン」(隣町再発見)も悪くない。