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新型コロナウイルス感染の急拡大で大阪府が…


 新型コロナウイルス感染の急拡大で大阪府が緊急事態宣言の発出を政府に要請し、東京都もその方向で検討を始めた。大阪府が東京を上回る新規感染者を出すようになったのは、感染力が強い英国型変異ウイルスが原因だ。東京でも変異株が急速に拡大している。

 ただその割には、東京の人出はあまり変わっていないように見える。昨年4月の最初の緊急事態宣言の時は、人出を7割減らすことが呼び掛けられ、携帯電話の位置情報などからその状況が報じられたりしたが、最近はそれもない。一種のコロナ慣れが起きていることは否定できない。

 ロックダウンなどできない日本の現状の中では、国民の行動変容に期待するしかない。政府、自治体はもっと強力なメッセージを出すべきだろう。

 もちろん、いたずらに危機感を煽(あお)る必要はない。「正しく恐れる」という基本的な態度に変わりはない。

 ただコロナ自粛を1年以上続けてきた国民にもうひと踏ん張りしてもらうには、ワクチン接種で何月にはどうなるなど、収束に向けたタイムスケジュールを提示することが求められる。

 鍵を握るのがワクチン接種だが、どう見てもスピード感が足りない。菅義偉首相は9月には必要とする全ての国民に行き渡る目途が立ったと胸を張るが、ワクチンの打ち手不足など課題も多く、不安の声も上がっている。政治のリーダーには、従来の慣行にとらわれぬ発想と迅速さで国難に対処してほしい。