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中央アジアの親日国、ウズベキスタンを取材…


 中央アジアの親日国、ウズベキスタンを取材した時、通訳をしてくれた地元の大学院生に、この国で一番有名な日本人は誰かと質問すると「おしんかな」と答えた。NHKの連続テレビ小説の主人公が、実在の人物だと思われるくらいの鮮烈な印象を残したことが分かる。

 「おしん」はアジア、中東、アフリカなど74カ国・地域で放送された。経済大国の日本にも、子供を奉公に出さなければならない貧しい時代があり、忍耐と努力で困難を乗り越える女性の物語は、途上国の人々の熱い共感を呼んだ。

 こうした点でこのドラマは、政府開発援助(ODA)に劣らない精神的な支援を行ったと言える。外務省が何年かけてもできないような情報発信もした。

 「おしん」の脚本家、橋田壽賀子さんが95歳で亡くなった。その画期的な仕事としては、1981年のNHK大河ドラマ「おんな太閤記」も忘れ難い。

 それまで歴史を扱った大河ドラマは基本的に男性が主役だったが、豊臣秀吉を天下人にした正室ねね(北政所)を主人公にした。それ以降、大河では女性の存在や視点が重要さを増した。

 「歴史の陰に女あり」という言葉は、ネガティブなニュアンスがあったが、橋田作品以降、いい意味で使われるようになった。

 女性の強さ賢さを強調する分、男性の弱さ愚かさが強調されている感じもした。しかし、確かにそういう面もあっただろうという気にさせるのも橋田さんの上手さだった。