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夜間の歩行中、飲食宅配代行サービスの配達員…


 夜間の歩行中、飲食宅配代行サービスの配達員の自転車が相当のスピードで脇を通り過ぎ、ヒヤッとさせられることがある。道路事情もあって歩行者との間にトラブルも多く、東京都は配達員のバッグに個別のナンバーを表示するよう業界団体に要請するという。

 今日、情報を伝える通信網は全国隅々に行き渡ったが、それに対しモノを運ぶ道路などのインフラは、いったん出来上がると簡単に拡大できないでいる。新しい需要に応えモノ自体を行き交わせる難しさがある。

 地球レベルでも同様の問題が起こっている。エジプトのスエズ運河で大型コンテナ船が座礁し、運河がふさがれ航行できない船舶が数百隻に膨らんでいる。スマホ一つで欧米の本を注文できる時代だが、モノ自体の流通となると1隻の座礁で世界に影響を与えかねないという現状がある。

 スエズ運河では過去10年で25件の座礁事故が発生しているが、モノの需要は増えているのに海路を新しく探るのは容易なことではない。スエズ運河の事故は、日本人にとって決して他所(よそ)事ではない。

 日本は原油や天然ガスなどの多くをペルシャ湾岸諸国から輸入している。細長い海路のマラッカ海峡で座礁事故が起これば、流通や安全保障に大きな影響がすぐ出てしまう。

 人と人、モノとモノとの自由な行き来を常に保持すること――大陸間の架け橋、島嶼(とうしょ)と半島との間のトンネルや車道などの開発事業を国際的に検討すべき時だ。