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新型コロナウイルス対策の中で、会議はオン…


 新型コロナウイルス対策の中で、会議はオンラインによるリモート参加が一般的になった。令和2年度の第60回俳人協会賞はじめ俳人協会4賞の選考委員会も、オンラインによるもの。

 「俳句文学館」3月5日号で、選考の結果が伝えられている。受賞の決定は1月23日で、3月2日に都内のホテルで総会と授賞式が行われる予定だった。が、総会は30日に、会場も東京・新宿の俳句文学館に変更となった。

 授賞式は後日開催の方向で進めているという。異常事態が平常になってしまった昨今だ。ところで、俳人協会賞受賞者は句集『つむぎうた』(ふらんす堂)の作者、野中亮介さん。

 「花鶏」主宰で、19歳の時、水原秋櫻子の「馬酔木」に入門し、以来四十余年。入門4年後に師は亡くなり、その声は著作で聴くよりほかに無かったという。単行本をすべて集めてみると、全集では知り得ない感動があった。

 師の装丁や挿画、活字まで、感動を新たに必死に学んだ。「俳句は恋愛といっしょですよ」と言い、「花鶏」の第1ページに「俳句は愛」と掲げている。「馬酔木」創刊100年、「花鶏」創刊20年の節目の年だ。

 選考委員長の小澤實さんは「圧倒的な魅力を覚えた。その魅力の第一は作中に現れる山河の存在感である」と絶賛。選考委員の西村和子さんも「高い美意識と抒情に貫かれ、描写力が確か」と称(たた)える。「山出づる真水のこゑや初硯」の句がある。授賞式はぜひ実現したいものだ。