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東京・渋谷区が60歳以上や定年を迎えた…


 東京・渋谷区が60歳以上や定年を迎えた住民に配布している地域デビューガイド「渋カツナビ」(A5版24㌻のカラー冊子)。最新第4号の特集は「お年寄り今こそ助け隊」で、先輩の高齢者らが相互扶助の在り方を指南している。

 シェフの仕事をし、その合間に高齢者の元に足を運ぶ菊池晃一郎さん。「この人が来てくれるならと安心してもらえる信頼関係を(お年寄りと)構築できないといけない」とその経験を語る。

 高齢者夫婦だけの家庭が増加し、近所付き合いが乏しくなった今、それを補うのは菊池さんのようなボランティアやNPO法人。しかしNPOで介護事業を開設するには経営手腕も問われ、ハードルは必ずしも低くない。また個人での活動の例は少ない。

 政府の進める「在宅介護」の方向は基本的に正しいが、お年寄りを家族や親族だけで世話することが難しい時代であるのは、ここでも変わりがないようだ。

 渋谷区では2015年の65歳以上の人口割合が20・7%。全国平均26・6%よりは低いが、予断を許さない。渋谷のセールスポイントの一つは「若者の街」だったが、繁華街を囲む地域は高齢者も多くなっている。

 何だか、気付かないうちに街の様子が変貌していく少子高齢化現象の弊の典型を見ているような気がする。JR渋谷駅周辺は今、商業ビルが次々と生まれており、若者プラス高級感のある街を演出したいようだが、果たしてうまくいくだろうか。