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全国で今季最も早く桜(ソメイヨシノ)が…


 全国で今季最も早く桜(ソメイヨシノ)が開花したのは、11日で広島市(「縮景園」にある標本木)だった。全国の統計史上では平成22(2010)年に高知市で観測した3月10日に次いで2番目に早かった。

 これに続いて翌12日に福岡市で開花。東京は昨年、雪やみぞれが降る中の14日開花で、観測史上最も早い記録となったが、今年も同じホワイトデー開花である。本格的な春の到来を迎えているのだ。

 とはいっても、<それっ、花見だ!>とばかりに、どっと桜名所に繰り出せる内外の状況ではない。残った1都3県の緊急事態宣言が解除されたとしても、密閉、密集、密接の3密を避け、マスク、手洗い励行に加えて黙食などの新生活スタイルは続く。

 今年は平成23年3月の東日本大震災から10年の年で節目の行事がいろいろと行われた。震災の年は花見自粛の神妙ムードに包まれ、花が被災者の心をかえって癒やせるのにとも思ったり、気持ちも複雑に入り交じり揺れたものである。

 新型コロナウイルス禍中の昨今と状況は似ていなくもない。宴会自粛は言うまでもないが、分かってきたウイルス感染防止の知見を生かし、ここは前向きに静かな花見を楽しみたい。

 黙視、黙読、黙祷(もくとう)の言葉に最近、言われだした黙食。これに加えて黙見、黙楽である。マスクをして車間距離ならぬ人間(じんかん)距離を保ち、酒や食べ物のにおいがない新モラルでの花見だ。<さまざまの事おもひだす桜かな> 芭蕉