世界日報 Web版

小型ヨットで1962年、世界で初めて単独…


 小型ヨットで1962年、世界で初めて単独無寄港の太平洋横断を果たした堀江謙一さん。著書『太平洋ひとりぼっち』によると、出発13日目に台風に遭遇し、悪戦苦闘。夜半ふと目覚め「乗っているのは、ぼくひとりだ。だれもいやしない」と自覚し、自分という存在を発見したという。

 日付変更線を越えた43日目夜には「次第に星は満天となる。おそく、東から月ものぼった。実に美しい夜空だ」とつぶやく余裕も。後に言われた「自分探し」の壮大な旅でもあった。

 無限の宇宙の中に生命の起源を探究する人類。飽くなき宇宙探査の動機もそれに似ているのではなかろうか。米航空宇宙局(NASA)の無人火星探査車「パーシビアランス」が火星に着陸し、その時の動画が公開された。

 探査車が特製のパラシュートと逆噴射で減速しながら地表に近づき、気流の変化で砂嵐が巻き起こっている。無機質な赤褐色の地表の様子が手に取るように分かる約3分半の映像だ。

 火星は地球に近く親しみのある惑星で、既に19世紀末、英国のSF作家ウェルズの小説『宇宙戦争』の中にあのタコのような火星人が登場している。実際は手に届かないから、その種の空想が許されたのだろう。

 それが今、手元にたぐり寄せ窺(うかが)える。地球外生命の痕跡が見つかれば、生命誕生の謎を解く手掛かりともなる。さらにその生命と人間との関係が分かれば、宇宙に人間が存在する意味の科学的解答に一歩近づくはずだ。