世界日報 Web版

イタリアはナポリ近郊にあるポンペイ遺跡は…


 イタリアはナポリ近郊にあるポンペイ遺跡は、西暦79年のベスビオ火山の噴火によって火山灰に埋まり、タイムカプセルのように当時の姿を残す遺跡として有名だ。劇場や人々の住居跡なども残っていて、古代ローマの人々の生活を偲(しの)ばせてくれる。

 2018年からは大規模な保存作業と発掘調査が進められている。NHKBSの「よみがえるポンペイ」で、その模様と成果を紹介していたが、美しいフレスコ画やモザイク画、そして人骨などが多数発見されている。

 番組では、神々を描いたフレスコ画が火山灰の下から現れるところなどが映し出されたが、ついこの前描かれたような鮮やかな色彩に息を呑(の)んだ。一瞬にして5㍍の深さに町全体を呑み込んだ火砕流が、このフレスコ画を保存したのである。

 しかしそれ以上に重要な発見は、家の壁に木炭で無造作に書かれた「11月1日の16日前」という日付だった。木炭で書かれた文字は1週間以上は残らないことから、噴火の1週間以内に書かれたものと考えられる。

 これまで「ポンペイ最後の日」は、小プリニウスが歴史家タキトゥスに送った手紙の記述から8月24日とされていた。だが発見された壺(つぼ)に秋の果物の痕跡があることなどから、10月24日の間違いではないかとする説があった。この日付によって、10月24日説がぐっと説得力を持つようになったのである。

 ポンペイ遺跡の土に埋もれた2000平方㍍の発掘はなお続けられている。