世界日報 Web版

年齢の感覚というのは不思議なものである…


 年齢の感覚というのは不思議なものである。10代の時には50代や60代というのは年寄り、老人だと感じていたことを覚えている。自分がその年齢になるということさえ信じられないほど。

 ところが、いざ自分がその年代になってみると、高齢者という意識は肉体の衰え以外はあまりなく、戸惑ってしまうことが多い。シルバーシートを譲られて初めて自分の老いを自覚したりする程度だ。

 そのような錯覚は、歴史的な人物を調べたり事績を読んだりする時にもある。なぜなら、過去の偉人や英雄は意外に若くして表舞台に登場する。幕末明治の時代、政治を動かしていた人物も10代や20代の若者が少なくないからだ。

 明治時代においても、文豪と言われた夏目漱石もかなりの高齢に思われてしまうが、亡くなったのは50歳である。もちろん長生きをした人もいるが、おおむね現在の感覚からすると若いと言っていい。

 このほど、第164回芥川賞・直木賞が発表された。芥川賞受賞者の宇佐見りんさんは、大学2年生の21歳。ずいぶん若い受賞者だが、芥川賞の歴史では3番目の若さだという。最年少受賞者は当時19歳だった綿矢りささん。

 芥川賞が新人賞ということもあるが、どうしても若さに焦点が当てられることが多い。ちなみに、最高齢の受賞者となると、75歳で受賞した黒田夏子さん。最年少と最高齢の記録が破られるかどうか分からないが、今後の活躍を期待したい。