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「振り返れば、新型コロナウイルスの一年…


 「振り返れば、新型コロナウイルスの一年だった」の感が強い。だが「だった」と過去形で言うことはできない。現実は今後しばらく続くだろうから。当惑しながらも、例えば「都合よく未来を見通すことは困難」ということも含め、世界がいろいろ学んだ。

 「日常」と「コロナ禍」のズレも学んだことの一つだ。それまでの日常はそれなりに重い。引力のように人を拘束する。しかし、コロナ禍では同じことを同じようにすることができない。何かと面倒になった。ひと手間、ふた手間余計なことが必要になった。

 面倒の積み重ねの中、コロナ禍を1年近く過ごす中で生活スタイルもおのずと変わった。誰も好きこのんでそうしたわけではない。「仕方がない……」と思いながらも変えるしかなかったのだ。「仕方がない」という後ろ向きの感情も、案外重いものだったことが分かってきた。

 コロナ対応についても、個人差が意外に大きいことが見えてきた。この世には気にし過ぎる人もいるし、気にしなさ過ぎる人もいる。

 「大ざっぱ」の印象が強かった人が、コロナに関しては意外に神経質であったり、「細かい」と思っていた人が、逆に鈍感であったりもした。コロナは人間の不思議さも改めてあぶり出した。

 半面、ウイルスもまた自然の一部だ。ウイルスとの戦いは「自然対人間」という数千年来の課題の繰り返しでもある。全くありふれたことだが、「自然はつくづく手ごわい」と痛感する。