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1年のうちで夜が最も長くなる今年の冬至は…


 1年のうちで夜が最も長くなる今年の冬至は昨日だった。北半球での太陽の高さが最も低くなる日である。古代中国では太陽の力が最も弱まり、万物が衰えるこの日から新年が始まった。

 西洋でも、冬至は新年の始まりであり、復活の起点でもあった。イエス・キリストの誕生を祝う日のクリスマスも、元をたどると太陽が蘇(よみがえ)る日を祝う「冬至祭」が起源だと言われている。

 日本では冬至にカボチャや小豆粥(がゆ)を食べ、ゆず湯に入って無病息災を祈る習慣があって親しまれている。だが、冬至はもっと重要な意味を持つ日でもある。今は新暦で行われる宮中祭祀(さいし)として天皇がその年の収穫を神々に感謝して新穀を食する新嘗祭(にいなめさい)。かつて旧暦で行われていたのがちょうど冬至の頃だったことにも思いを寄せたい。

 厳しい寒さはまだこれからだが、日はきょうからわずかずつでも長くなっていく。人々は聖夜を照らすイルミネーションにも、春への希望を見ようとする。

 冬至、クリスマス、大晦日(おおみそか)の行事の後、新年・正月を迎え、節分、立春を前に寒さもピークの小寒、大寒の1月を越えると春は間近となる。師走から新年へ、この時期をしのいで生きる人のことを文芸評論家の山本健吉さんはこんな表現で綴(つづ)る。

 <暦の上の折り目が、冬の期間にはことに多い。その一つ一つが、冬をやり過ごす者にとって、心の支えとなる>『ことばの歳時記』。季節を愛で楽しむことを生きる力に。