世界日報 Web版

日本の農業は高齢化が進み、就農人口のうち…


 日本の農業は高齢化が進み、就農人口のうち65歳以上が60~70%を占める。しかも、新規就農者の約3割は生活が安定しないことから5年以内に離農している。

 農業は日本の基幹産業。安全保障上、自給率の底上げは大きな課題で、政府が「スマート農業」推進を急ぐのは故ないことではない。

 機械化、生産様式の画一化がスマート農業だと思っている人は間違い。ロボットや通信技術を導入する点では機械化だが、その目的は労働力不足解消と共に「熟練農家の技術・ノウハウの継承」(野口伸著『スマート農業のきほん』)だ。

 昨年6月、北海道大学と岩見沢市はNTTと連携し、スマート農業を軸とした地方創生という目標を立て注目された。先ごろ、農業機械の広域自動走行と遠隔監視制御を実現する技術開発に成功した。

 その内容を見ると、自動走行、遠隔監視技術で共に追求したのは、最適な測位・位置情報とその配信方式。正確な情報を共有することで、省力化と共に各農家が収穫予想をしたり、肥料散布の量やタイミングなどを正確に計れたりするようになる。

 岩見沢の広大な農地への応用例は、中山間地域が多いわが国の見本にはならないという意見もある。しかし、今回の技術の方向性は「データ駆動型農業」とも呼ばれるスマート農業の中身を体現し、狭い農地での活用も視野に入っている。

 熟練農家のノウハウ継承+生産力アップが実現できる同農業を活(い)かしたい。