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中国発の新型コロナウイルスに振り回されて…


 中国発の新型コロナウイルスに振り回されて今年もはや師走に入った。この時期になると、時の流れの早さに驚き、否(いや)応なく老境にあることを意識させられる。若い頃は逆に、流れを遅く感じてきたように思う。

 感じ方が違うのはなぜかと考えた時があった。何年か前に2カ月ほど入院し、毎日が退屈この上ない時、退院後に備えて毎日1時間、廊下を行ったり来たりのウオーキングをした。

 頃合いに時計を見て「もう1時間も経(た)ったのか」と驚く日と「まだ1時間にならないのか」と随分と時間が遅く感じられる日があったのだ。前者は体が重く動きの鈍い日であり、後者は体調が良いので早足で歩き<結構歩いたから、もう1時間は十分に過ぎていよう>と時計を見ると、まだ10分も残っていたりする。

 これは、2012年ロンドン五輪のサッカー日本女子代表(なでしこジャパン)が準決勝でフランスに2-1で逃げ切り、初のメダルを確定した試合のルポ記事からも分かる。

 「日本のゴールを守る福元美穂(岡山湯郷)は、フランスの猛攻を受けながら何度も残り時間を確認した。だが、もどかしいくらいに時計は進まない。後半31分に1点差とされてからは、試合終了ははるか先に思えた」(朝日8月7日付夕刊)。

 なでしこは真正面から若さと力の限りをぶつけた必死の試合をした。だからこそ、時間の進みが遅く感じられたのであろう。コロナ禍の師走、諸兄の時間の進み具合はいかが。