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学生の教職志願者が激減している。公立学校…


 学生の教職志願者が激減している。公立学校教員採用試験の倍率は、20年前に小学校12・5倍、中学校18倍だったのに対し、今年は(均〈なら〉すと)4・2倍。人材の質を維持できる危険水域ラインは3倍だという(全国教育問題協議会「全教協ニュース」11月5日号)。

 この間、教育現場は学級崩壊、いじめの増加、先輩教師の新任者へのいじめで「ブラック職場」と呼ばれるなど「学校教育の混迷」が続いている。希望者激減の理由でもある。

 全教協では教師に感謝する「教師の日」制定に向けた運動を展開し、教職の社会的ステータスアップを目指す。また、志願者を増やすために「教える面白さ」を改めて学生らに伝える手だてを模索している。

 橋本武著『伝説の灘校国語教師の「学問のすすめ」』(PHP刊)で、著者は「生徒の心に生涯残り、生きる糧となる授業をするには」と自問して「教師が楽しみながら授業を行えば生徒は楽しみながらついてきてくれる」と結論。生涯実践し卒業生たちに慕われた。

 橋本氏は文字の語源などを生徒と一緒に追究。横道にそれることもしばしばだった。「知らない間に遊んでいるように持って行くのがプロの教師の仕事」とも。教育者のあるべき姿勢は私立も公立も変わらない。

 新型コロナウイルス禍で休校後、久しぶりに登校した子供たちのうれしそうな表情がTVニュースによく流れた。大半の児童生徒は学校が大好きなのだ。それに応えたい。