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名古屋市近辺には先端技術を扱う大企業から…


 名古屋市近辺には先端技術を扱う大企業から小企業、その工場が多く、わが国が誇るハイテク産業のメッカだ。H2Aロケットの機体中心部分の製造を行ったのは三菱重工業飛島工場(愛知県飛島村)、自衛隊の輸送機C2は川崎重工業岐阜工場(岐阜県各務原市)だ。

 そして、三菱重工小牧南工場(愛知県豊山町)で手掛けていたのが国産初の小型ジェット旅客機「スペースジェット」(旧MRJ)。だが新型コロナウイルス禍で旅客需要の激減が見込まれ、開発が凍結されることになった。納期の6度目の延期後、今年度中の納入も視野にあっただけに残念だ。

 米国は国防産業とタイアップしたロケットや航空機の開発・生産の力が圧倒的で、商売も上手(うま)い。日本は機体の軽量化、強化に寄与する素材面では世界のトップランナーとなってきたが、総合力ではなかなか張り合えなかった。

 米欧先進国の場合、航空機の設計や開発の手法に熟練し、顧客へのアピール度も高い。米国では設計初期の段階から運航会社や部品供給会社にも関与させ、パイロットがシミュレーターの試験にも携わっている。

 日本企業はそこまで行き届かない。これまでも配線トラブルによる設計変更が生じたり、約100万点に及ぶ部品の調達や管理に手間取ったりしてきた。

 既に国内外の航空会社から約300機を受注し、国から約500億円の支援もあった。どう戦略を立て直すのか。三菱マークの意地を見せてほしい。