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ようやく清涼な秋らしい日が多くなってきた…


 ようやく清涼な秋らしい日が多くなってきた。新型コロナウイルス禍で外出がままならず、家にこもっていたため、室内での娯楽、テレビやパソコンなどで過ごした人が多いのではないか。そのほか、読書などに没頭した人も少なくないだろう。

 毎年行われる「読書週間」は10月27日から11月9日まで開催される。今年の標語は「ラストページまで駆け抜けて」。俳句には、読書に関わりの深い秋の季語「秋灯」「灯火親し」などがある。

 秋になると日が落ちるのが早くなり、いつの間にか辺りが暗くなってしまう。そこで本を読み続けるためには、明かりをつける。そこからきたのかもしれない。秋のしみじみとした風景の中で、読書をするのはいかにもふさわしい。

 「灯火親し」は、中国唐の時代の詩人・韓愈(かんゆ)の詩からきている。いかにも、明かりの乏しかった時代の風情がそこはかとなく漂ってくるものがある。韓愈は詩よりも散文で知られ、唐宋八大家の第一に数えられたほどの文章の大家。

 現在、アナログの活字本はデジタルの電子書籍に押され気味だが、活字の書籍には時代とともに風格が備わり、史料的な価値、そして装丁などの美術的な評価もある。書棚に飾って手に取ってみると、どこか心が落ち着く効果もある。

 きょうは、全国古書籍商組合連合会(全古書連)が平成15(2003)年に制定した「古書の日」に当たる。文化財としての本を改めて大切にしたい。