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散歩コースにある公園の皐月(さつき)の…


 散歩コースにある公園の皐月(さつき)の生け垣は、緑葉の中に濃いピンクの花が咲き乱れて引き立っている。だが、それより目を奪われるのは生け垣の周りで地面に這(は)って白十字の白い星を散らしたように咲く花である。やや濃い緑葉とのコントラストが清楚(せいそ)な純白を際立たせて見せてくれる。

 美しいだけではない。高さ50㌢ほどの生け垣の中央では、密集する葉と花の間を突き抜けて生け垣のさらに上に伸びて白い花を見せている。何という根性なのか。生存競争に勝ち残った草花には脱帽である。

 この時期、その花の名前のために損をしているドクダミをよく目にするようになった。旺盛な生命力を象徴するように、薬草として重宝される。葉は揉(も)んでつけると、おできや火傷(やけど)に効く皮膚薬に。煎じて飲む茶は動脈硬化を予防し便秘にも役立つ。

 ドクダミだけではない。梅雨入りを控える今から見掛ける花に、白い花が結構多いのはなぜだろうか。爽やかな白がうっとうしい梅雨を生きる人間のためにエールを送っているのかも。

 芳香を放つジャスミンやクチナシ、頭巾(ずきん)をかぶった法師に似たヤマボウシ、卯(う)の花に夏椿(なつつばき)。梅雨に映えるハナショウブ、カラー、水辺の睡蓮(すいれん)などを思い浮かべると、梅雨もそんなに悪いものではなくなる。

 七変化の紫陽花(あじさい)も、雨に煙る季節の彩りを前に今は白い花が多い感じ。大きな花は緑葉をバックに存在感を際立たせている。<梅雨の月があって白い花> 種田山頭火(さんとうか)。