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朝、目覚めると、妻が台所でまな板の上で…


 朝、目覚めると、妻が台所でまな板の上で何かを刻んでいるトントンという音が聞こえた。パンがいい具合に焼ける匂いも。ステイホームで家で仕事をするようになって、朝がゆったりと過ぎていくことを感じている。

 出勤時間に合わせるために焦って駅まで走ることがない。電車の中で会社での仕事をどう割り振りするのか、予定はどうなっているのか、そんなことで思い煩うこともない。

 新聞もゆっくりと目を通し、気になるところは切り抜きをし、テレビのニュースにも注意を払う。それから食事をし、自分の机に向かう。パソコンを立ち上げ、メールのチェックをして返事を出す。時間が来ればズームで会議に参加し、議題を聞きながら報告をする。

 画面に映った参加者の顔を見ながら、通常の会議でもこうしてはっきりと相手の顔を眺めたことがなかったことを改めて思う。相手の表情や顔色も分かり、インターネットを通じての会議ながらリアルな感じを受ける。ただ、自分の顔も映っているのでいささか鼻白む。

 緊急事態宣言が解除されたが、新型コロナウイルスの感染拡大以前と以後では、生活スタイルが大きく変わってしまった。自宅で会議に参加することなど、ついこの前までは考えられなかった。それが当たり前のようになっている。

 ステイホームをしていると人間だけではなく自然との触れ合いも少ないが、改めて人生を振り返るのにいい時間かもしれないと感じている。