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夏の全国高校野球選手権大会(甲子園球場)…


 夏の全国高校野球選手権大会(甲子園球場)が新型コロナウイルス流行の影響により中止の方向で検討に入った。指導者や選手は残念至極だろうが、中止はやむを得ないところだ。

 夏の大会では、3700余校が戦う地方大会も開催されていない。従来は8月に各都道府県の代表約50校が甲子園に集い対戦し、勝ち進んで決勝に出る場合は2週間ほど市中の旅館やホテルに宿泊する。

 濃厚接触は避けられないし、その期間、代表校は衆目を集め、自粛緩和の誤った印象付けをしてしまうかもしれない。「選手たちの安心と安全を担保できない」とする中止の決定が妥当だ。

 平成の時代に入る前、総合学科や全日制の単位制高校、スポーツや芸術を専門に教える学科、学校が盛んに新設された。「一芸に秀でる」ことを是とする教育だ。野球では優秀な選手や監督を迎えるための全国網のスカウト合戦が知られるようになった。

 スポーツはほかにサッカーや駅伝、ラグビーなど、カリキュラムの特殊化で人材集めに成功した高校もある。その一方、約30年経(た)って、こうした学校づくりが、単に試合に勝つための方策だったと分かる場合も少なくない。

 昨今の甲子園の常連校や、超高校生級のプレーを見せる強豪校の例は、当時スポーツ専門教育が目指した目標の結実体と言えるのかどうか。単にミニプロ化しただけではないのか。「一芸に秀でる」高校教育とは何か、再考する期間になればいい。