世界日報 Web版

ノーベル賞学者が治療薬開発などのため緊急…


 ノーベル賞学者が治療薬開発などのため緊急研究費100億円投入を政府に提言するなど、新型コロナウイルス対策の模索が続いている。

 ワクチン開発では、国立の研究機関が予防用ワクチン開発に乗り出し、製薬会社は抗インフルエンザ薬「アビガン」の増産を決定した。これらの動きを速め、研究内容を底上げすることも必要だ。

 欧米では国家の援助で、製薬会社、研究機関、大学が感染症の研究を行い、ワクチン製造は以前から国家間で競争が激化している。ところが、半世紀も前にわが国では、医療界に左翼共産主義の嵐が吹き荒れ、彼らの「国が先導してワクチン開発を進めると医療界の独立が守れない」とする主張がまかり通った。当時の政府はその力に屈し研究を進める足かせにもなった。

 今日、感染症などの研究で大学教授や研究者に世界のトップレベルの人たちが少なくない。しかし過去のそういう経緯もあって、彼らを結集させ、大きな力を発揮させることができる研究開発機関は見当たらない。資金も欧米と比べ見劣りがする。

 くだんの100億円投入の提言者は京大特別教授の本庶佑氏。その基礎研究は、人の体の免疫力でがん細胞を攻撃させる治療薬開発につながり、がんの免疫療法が医療として確立した。

 集中的な資金投与の効果とその必要性を誰よりも痛感している人物だ。政府は強力に後押しし、本庶氏をトップとする治療薬開発の研究機関をつくってはどうか。