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去る3月3日は俳人協会の第49回総会、四つ…


 去る3月3日は俳人協会の第49回総会、四つの賞の授賞式、そして懇親会が都内のホテルで行われる予定だった。が、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、実施されたのは総会だけ。

 通常は記者にも席が用意される総会だが、その報告が伝えられたのは同協会会報の「俳句文学館」4月5日号。会場の様子が写真で紹介されている。演台の脇に理事たちの姿があるのみで、フロアの席には人がいない。

 出席者は18人で、委任状出席者が9265人。合わせると会員1万5225人の過半数で総会が成立した。会員の増減や、昨年開かれた「石田波郷回顧展」など事業の報告、60周年を迎える来年度の計画も伝えられた。

 見過ごすことのできない問題として指摘されたのは、2022年度から実施される高校国語の新学習指導要領で「論理的」「実用的」な文章が重視され、「文学的」な文章が軽視される恐れがあること。

 同協会の能村研三理事長は俳句雑誌「沖」の主宰者。総会で報告をしていたが、「沖」4月号によると、その準備の時期、持病の教育入院で病院にいた。「夜々芽吹く闇の微熱のただよへり」と詠む。

 「俳句会は昔から『座』の文学ともいわれているように、人の和をもって始まり、和をもって終わる。お互いに膝を交えることで、お互いの詩情を誘発して句が生まれるのである」と記す。その句会ができず、俳句界への打撃も大きい。今は人々が心と歩調を合わせることが肝心だ。