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「良寛の一書を膝に春の旅」(今川凍光)。…


 「良寛の一書を膝に春の旅」(今川凍光)。俳句の歳時記では、春は「立春」から始まるが、今年は4日に当たる。だが、体感的にはまだ寒さも残り、春という感じがしない。ただ、春という漢字からは感覚的に植物の芽生えをイメージさせるものがある。

 春はそのほか、外に出掛けたいという旅心を誘う季節でもある。春夏秋冬それぞれの旅の楽しみ方があるが、気候的には春や秋は過ごしやすい季節。車窓の景色を眺めたり、駅弁などの楽しみのほか、本を所持して、汽車に揺られながら拾い読みするのも一興。

 ところが、今年は新型コロナウイルスの感染の拡大で、観光は大きな影響を受けている。中国人の団体客の予約のキャンセルだけではなく、国内でも旅行を自粛する動きが加速している。

 例えば、富士山など観光資源を抱えている静岡県観光協会などのアンケート調査では、7日、県内の旅館、ホテルなどで、1月から3月の宿泊予約のキャンセルが約9万人に上ったという。

 テレビのニュースでは、スーパーやドラッグストアでマスクが品切れになり不足しているという話を放映しているほど。実際に、電車に乗ったり街を歩いたりすると、スギ花粉飛散の最盛期を思わせるほど、マスクをしている人が多い。

 今や「春の旅」などと悠長なことを言っている状態ではないだろう。いつまでこの状況が続くのか分からないが、一刻も早い新型ウイルス感染拡大の終息を願いたい。