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地球環境問題に関し、よく知られた表記に…


 地球環境問題に関し、よく知られた表記に「Think globally/Act locally」(地球規模で考え、足元から行動を)がある。その解決には、一人ひとり、一国一国の行動の積み重ねしかない――という意味だ。

 小泉進次郎環境相が、スペイン・マドリードで開かれた地球温暖化対策の国際会議「COP25」で演説し、批判が高まっている石炭火力発電の利用について「新たな政策をこの場で共有することは残念ながらできない」が「結果を伴う脱炭素化に向けた行動を確実に進めている」と述べた。

 「脱石炭」を言明しない姿勢は、会場で概して不評だったようだが、現在の日本のエネルギー施策について正直に述べたことは良かった。“Act locally”の自覚からしか地球環境問題の解決はない。

 わが国は戦後、エネルギー安全保障のために原子力発電を導入したが、昭和40年代からは環境論の視点からも二酸化炭素を排出しない原発の役割が示され、立地が続いた。

 その結果、東京電力福島第1原発事故前には全発電の3割を占めたが、それが3%に落ち込んでいる。そこで電力会社は代替手段として石炭火力の比重を増やし、需要に応えなければならなくなった。

 政府は再生エネルギーの活用も進めるが、安定供給には程遠い。地球環境問題を見据えたエネルギー施策のあり方で、日本は今、深刻な局面を迎えている。国民一人ひとりの当事者意識が不可欠だ。