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「来年のことを言うと鬼が笑う」ではないが…


 「来年のことを言うと鬼が笑う」ではないが、2020年のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」は、出演者のトラブルや配役変更などでいささか心配だったが、何とか無事に放映されることになった。

 それにしても、従来謀反人として知られてきた明智光秀がどのように描かれるのか、今から気になるところ。「麒麟がくる」というタイトルも何やら暗示的だ。麒麟は中国神話に出てくる伝説的な存在(霊獣)で、首の長い動物のキリンとは違う。

 キリンという動物名は、麒麟に似ているということで、中国・明時代の永楽帝が付けたという説がある。麒麟は王が仁の政治を行う時に現れるとされていることからも、光秀のイメージとはなかなか結び付けにくい。

 光秀は本能寺の変によって主君の織田信長を討った。「麒麟がくる」では光秀に焦点が当てられることで、知られざる部分が明らかになってくるかもしれない。

 実際に光秀が統治した京都・福知山などでは、その善政を慕って顕彰されているほどである。歴史は勝者によって書き換えられるという言葉もあるから、光秀が麒麟に結び付けられるような人物だったことは十分にあり得る。

 麒麟といえば、大相撲力士のしこ名である「麒麟児」を思い出す。特に昭和40年代に活躍した麒麟児(後の大麒麟)は、頭脳明晰(めいせき)で技巧派だった。ただ、ここ一番で弱かったという印象がある。その点では、三日天下と言われた光秀と通じるものがある。