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新田次郎『火の島』を読む【上昇気流】

正月休み、昨年出版された新田次郎著『火の島』(ちくま文庫)を読んだ。新田の気象庁での職場経験を生かしたドキュメンタリー小説で、昭和40年、大噴火寸前の伊豆諸島・鳥島が舞台。

「経済安保」日米の差【上昇気流】

中国の女性経営者が2年前に買った沖縄の島を今夏にも訪問するという。沖縄県北部の無人島、屋那覇島で、当時購入したその女性がSNSに投稿して話題となったのは記憶に新しい。

グルメ番組の「褒め言葉」【上昇気流】

グルメバラエティーでお笑い芸人やタレントが、寿司(すし)であれ刺し身であれ、生魚を食べた時のコメントのパターンがある。必ず「臭みがない……」と言う。もちろん芸人は、良い意味で言っている。悪意があろうはずはない。昨今の芸人の間では、そういう褒め方がはやっているのだろう。

マネロン対策に紙幣探知犬 フィリピンから

フィリピンの玄関口であるニノイ・アキノ国際空港に、「紙幣探知犬」が導入されることが決定した。目的は、国際的な課題となっているマネーロンダリング(資金洗浄)対策だ。不正に現金を海外から持ち込む、あるいは持ち出す行為を水際で防ぐ狙いがある。

トランプ氏は信教の自由擁護を

この1月20日正午(日本時間21日午前2時)、アメリカ大統領就任式が連邦議会議事堂で行われ、ドナルド・トランプ氏は第47代アメリカ大統領に就任した。トランプ氏は連邦最高裁長官の言葉に合わせて厳かに宣誓。メラニア夫人の両手には、トランプ氏が母親から譲り受けた聖書とリンカーン第16代大統領が宣誓に用いた聖書の2冊がしっかり握られていた。

孤高の剣士、イチローさん【上昇気流】

「僕が初めてMLB(米大リーグ)に挑戦した年に、この日を迎えることは地球上の誰も想像できなかったと思う……言葉では言い表せないほどの気持ち」――。米野球殿堂入りを果たしたイチローさんの言葉だ。

高浜虚子生誕150年【上昇気流】

JR鎌倉駅で下車し、観光案内のパンフレットを探していたら講演会「虚子生誕150年 鎌倉ゆかりの俳人高濱虚子の足あと」というのを見つけた。虚子は1874年2月22日の生まれ。

頼りになる街の修理屋 ブラジルから

仕事柄、カメラを使うことが多い。近年はもっぱらレンズ交換式のミラーレスカメラを使っているが、困るのが修理やメンテナンスが必要になった時だ。

沖縄をアニメの聖地に

近年、沖縄を舞台にしたアニメ作品が注目を集めている。南城市のあざまサンサンビーチやニライカナイなどが登場する青春アニメ「白い砂のアクアトープ」や、那覇市の国際通りや栄町市場が登場するスケートボードアニメ「SK∞(エスケーエイト)」、沖縄ならではのローカルネタ満載で、現在放送中のラブコメ「沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる(沖ツラ)」などが有名だ。

共通テストとトランプ氏【上昇気流】

先週の土曜日、いつもの通勤列車に乗るためホームに行くと学生服の長蛇の列ができていた。普段であれば人はまばらなのになぜ? それで大学入学共通テストの日だと気付いた。列車に乗って大学の試験場に向かう高校生の群れだった。

安心して乗っていた矢先に 韓国から

筆者はここ30年余り、仕事でもプライベートでも韓国に離着陸する飛行機に乗る機会が多かった。まだ仁川空港ができる前に利用していた金浦空港は、ターミナルの建物内にニンニクのにおいがプ~ンと漂っていたのを覚えている。韓国の航空会社の飛行機は着陸がいささかワイルドで、一度は「ホップ、ステップ」するようなこともあった。友人の韓国人に聞くと、「あそこの航空会社のパイロットは空軍出身が多いからね~」と言われた。

国防の義務は国民の自然義務【羅針盤】

政府は、昨年12月20日、自衛隊の処遇改善に関する関係閣僚会議を開き、給与や手当、住環境の整備に関する基本方針を策定した。民間との格差を縮め自衛官のなり手の確保も狙うとしているが、格差を逆転させ格別の処遇を与えるところまでは踏み込んでいない。

受験合否は勝ち組・負け組?

電車の中で、不安そうな表情をした受験生らしい学生と心配そうに寄り添う保護者らしき大人の姿をよく見掛けるようになった。受験シーズンに、毎年繰り返される光景だが、オーバーツーリズムが指摘される今年はホテルの確保に苦労したはずだ。上京してきたであろう受験生を見るたびに、例年よりも力を込めて「頑張れよ!」と心の中でエールを送っている。

マンガン団塊と「暗黒酸素」【上昇気流】

日本財団と東京大学は昨年6月、東京・南鳥島周辺の日本の排他的経済水域にレアメタル(希少金属)を豊富に含むマンガン団塊が2・3億㌧分布していることを明らかにし、1日数千㌧規模で引き上げる実証実験を行うことを発表した。

風向き変わる原子力需要【上昇気流】

世界的な傾向だが、生成AI(人工知能)をはじめデジタル技術の急速な普及により今後、電力需要は大幅に増えるとみられている。またエネルギー安全保障の観点からも、安定的な原発による発電が再注目されている。

田沼時代の「政争」【上昇気流】

再び田沼意次の話。意次が領した相良藩は静岡県の旧相良町で、現在は牧之原市になっている。鎌倉時代に相良長頼が幕府の命で現在の熊本県人吉市に入って城主となった、いわば人吉藩相良家の発祥の地だ。両市はその縁で友好都市となる。

拉致事件が観光に冷や水 タイから

昨年のタイの外国人観光客数は、前年比26%増の3555万人だった。トップは中国人で前年比ほぼ倍増の673万人。2位は隣国のマレーシア人で495万人、日本人は10位で105万人だった。

【東風西風】分業が支える輪島塗の高品質

能登半島地震で苦闘する輪島塗の職人たちの1年間を特集したテレビ番組を幾つか観た。地震で家や工房が半壊するなど大きな被害を受け、それでも何とか頑張って少しずつ作業を再開したところ、9月の豪雨が襲った。地震以上に豪雨は痛手で、心が折れたという人も少なくなかった。

紅白饅頭の由来は?【上昇気流】

小紙は今年で創刊50周年。これを記念する新年会が開かれ、新たなスタートを切った。そのお祝いとして「紅白」の饅頭(まんじゅう)が配られた。お祝いの席に欠かせないものとしては定番だが、改めてなぜなのだろうかと不思議に思った。

年配女性共産党員がSNS戦略に衝撃

共産党内部に衝撃が走っている。2025年1月10日、11日に、第4回中央委員会総会が開催されたが、「多数者革命を推進するうえで『SNSに強い党』をつくりあげることは不可欠の課題であり、……『系統的・日常的なSNS発信・拡散』と『LINEを活用した組織戦』の両面でSNSの抜本的強化をはかろう。……党機関、議員、候補者、候補者サポートチームを先頭に、X、YouTube、インスタグラム、TikTokなど各SNSの特性に応じた発信力を強化する。……中央としてSNS戦略室を軸に活動を強め、SNS講座を開く。都道府県、地区でもSNS講座を開催し、全党のスキルアップをはかろう」と決議された。

阪神大震災の最大の教訓【上昇気流】

死者6434人、負傷者4万3792人、約64万棟の住宅被害を出した阪神・淡路大震災から30年となった。マグニチュード7・3、都市直下型の地震の恐ろしさは世界にも衝撃を与えた。

【韓国紙】「デジタル遺産」論議

「デジタル遺産」は故人が生前にオンラインやスマートフォンのようなデジタル空間に残した痕跡だ。スマホの中の連絡先や写真、送受信したEメール、ソーシャルメディアの書き込み、ゲームの中のアイテムのような資料が該当する。事故など、突然の死によって家族を失った時、死亡者の知人に訃報を知らせたくても連絡先が分からず気をもむものだ。特にスマホの暗号は、本人でなければ分からず、いくら家族でもスマホの製造会社や通信会社がこれを知らせてくれない。SNSでもほとんど差がない。

公務員道提唱した童門冬二さん【上昇気流】

作家の童門冬二さんが昨年1月に亡くなっていたことが伝えられた。本人の遺志で1年間伏せられていたという。96歳。作家になる前は東京都庁に勤務して広報室長、企画調整局長、政策室長などを歴任。

デザートはお汁粉 イスラエルから

日本や世界で新年を祝った元日、イスラエルのユダヤ人は通常通りに仕事をしていた。ユダヤ人の子供たちは、ユダヤ教の祭り「ハヌカ」の期間中で学校は休みだった。

識名園を建てた若き王の功績

先日、那覇市の世界遺産「識名園」に立ち寄った。識名園は18世紀に建てられた琉球王家最大の別邸で、琉球国時代に海外からの使者をもてなす際などに使用された。大きな池が特徴的な綺麗(きれい)な庭園や、市内を一望できる展望スポットなどを散策していると、まるで国王になったかのような優雅な気持ちにさせられる。

「勝利を望みて」【上昇気流】

「ウイ・シャル・オーヴァーカム」――。黒人牧師による霊歌を原曲とする歌で、1976年の米大統領選に勝利したジミー・カーター氏はワシントンに向かう飛行機の中でスタッフと共に熱唱した。昨年末にカーター氏の訃報が届くと、真っ先にこの歌が脳裏に浮かんだ。

増えるジャーナリストの失業 オーストリアから

オーストリアの国民経済は隣国ドイツと同様、リセッション(景気後退)だ。企業の破産や閉鎖のニュースが増えてきた。同時に、失業者も増加傾向にあるが、ジャーナリストの失業もここにきて増えている。

自然災害に備える年に【羅針盤】

皇紀2685年、令和7年、乙巳(きのとみ)が明け、戦後80年を迎えた。

子抱き富士と日本人

自宅から徒歩20分、富士を模した山田富士という丘がある。子供が小学生の頃、元旦に初日の出を拝みによく登った。わずか標高46㍍だが、空気が澄む冬場は冠雪富士がよく見える。

三島由紀夫生誕100年【上昇気流】

作家の三島由紀夫は1925(大正14)年生まれで、生きていればきょうが100歳の誕生日ということになる。今や100歳を超える人は9万人以上。100歳の三島が、今の日本をどう評したか想像したくなる。

「いのち輝く」万博の成功を【上昇気流】

大阪・関西万博が4月13日から大阪市の人工島「夢洲」で開かれる。前売り入場券の売り上げが低迷する中、関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は「誘致段階から関わってきた者として必ず成功させる」と新年の決意を述べた。

日鉄は判断を誤ったのか 国家バイオリズムに潜むリスク

バイデン米大統領がこのほど、日本製鉄のUSスチール買収中止を命じた。日鉄は2023年12月、USスチールを約141億ドル(約2兆2000億円)で買収し、完全子会社する意向を発表していた。

「陰の主役」田沼意次【上昇気流】

江戸中期の稀代の版元、蔦屋重三郎を描いたNHK大河ドラマ「べらぼう」が始まった。合戦シーンもなく、もっぱら政治、文化、社会世相をどう盛り上げていくか今後の展開が見ものではある。

【心をつむぐ】書初に思うこと

年頭になると、一年の出発のための行事がある。歳時記をひもとくと、年始・1月の季語には「初」がつくものがずらりと並ぶ。「初日の出」はもちろんだが、気になっているのは「書初(かきぞめ)」。

養子入り断られた井伊直弼【上昇気流】

江戸時代の社会のイメージは、身分社会、がんじがらめの閉塞(へいそく)状況といったところだろうか。しかし、実際はそうでもない。例えば養子制度。実子が優秀でない場合、養子を取る。大事なのは「家」の存続だ。力量の低い実子に代わって有能な養子を取れば、家を存続させるには都合がいい。『日本史の論点』(中公新書)にその話が紹介されている。

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