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軍犬「タルグァニ」


韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

 犬は古代から軍事目的で活用された。2500年前、古代ペルシャがエジプトとの戦争で犬を使用したことを皮切りに、スパルタ、ローマ帝国、昔の中国でも犬を戦闘に活用した記録が残っている。第1次世界大戦の時、ドイツがシェパードを軍犬に利用したことで、全世界の軍隊に伝播(でんぱ)した。犬は優れた視覚・嗅覚を活用して前方部隊の警備、捜索から爆発物の探知まで、人が行いにくい仕事をやり遂げる。1個大隊を投入して6時間程度かかる捜索作戦を、りこうな軍犬1匹が2時間で終わらせるほど効率的だ。

 韓国の軍犬の歴史は1954年、空軍が米軍から軍犬10匹を引き取ってから始まった。1968年、北朝鮮の武装工作員たちが青瓦台(大統領府)を襲撃した1・21事態の時、軍犬「リンティン」が北朝鮮工作員の捜索に大きな功績を立てて、初めて勲章をもらった。1990年、江原道楊口の(北朝鮮)第4(南侵)トンネルを捜索していた時、投入された「ハント」は地雷を踏んで爆死して将兵たちの命を救った。その功績が認められてハントは少尉の階級章が与えられ、第4トンネル前に銅像が建てられた。2007年11月、イラクに派遣されたザイトン部隊の爆発物探知犬「モナード」は任務遂行中に戦死して殉職処理された。

 軍犬は生後3カ月のシェパード(ベルジアン・シェパード・ドッグ)、マリノア、レトリーバー種の中から選抜される。子犬の時の資質評価を経て障害物訓練から爆発物感知、ヘリコプター降下まで、厳格な訓練を行う。4カ月の適応訓練と8カ月の作戦訓練を経た後、実践に配置される。軍犬候補のうち30%だけがこの関門を通過して正式な軍犬になる。軍は現在、約1300匹の軍犬を運営中だが、大部分がシェパードだ。精鋭の軍犬1匹を育成しようとすれば、数千万ウォンかかるという。

 陸軍32師団機動大隊に所属する軍犬「タルグァニ」が行方不明になって10日たつ女子中学生チョ・ウンヌリさんを捜しだす大仕事を行った。7年目のベテラン偵察犬であるタルグァニが警察と軍など延べ5800人を投入しても見つけられなかった女子中学生を最初に発見し、国民“英雄犬”に仲間入りした。インターネットではタルグァニに対する特進・特食など褒賞要請が相次いでいるという。軍犬は階級がないので、残念だが特進は不可能だ。しかし国民を幸せにしてくれたタルグァニが軍犬の歴史に長く名を残すことは明らかだ。

(8月6日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。