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「霊魂」捕まえに墓参り


地球だより

 スウェーデンの国民的作家ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ(1849~1912年)が亡くなって14日で107年になる。ストリンドベリの葬儀には多数の国民が長い列をなした。国民から愛された作家だった。ノーベル文学賞の受賞を願っていたが、選考委員会の関係者を批判、叱咤(しった)するなど、その言動は通常の人とは異なっていた。

 フランツ・カフカ(1883~1924年)が恋人に900通の手紙を書いた話は有名だが、ストリンドベリは生涯、カフカを大きく凌ぐ8000通の手紙を知人、友人、恋人などに書きまくっている。ところで、ストリンドベリは手紙を送る相手が目の前にいるかのように、正座して手紙を書いたという。

 カフカはラブレターを書いたが、ストリンドベリはお金を請う手紙や出版社宛ての現実的な内容の手紙が多かったという。彼は生きていくために多くの小説、戯曲だけでなく、絵も描いた。生活苦のためその才能を安売りしなければならない自分の運命を激しく恨んでいたという。

 彼の奇行の一つは頻繁に墓場に行くことだ。ガラス瓶を手に墓場に向かい、さまよう幽霊をビンに入れ、家に帰り顕微鏡で観察したという。

 彼には「神を信じる日」と「そうではない日」があった。友人が「今日のストリンドベリは神を信じていたかね、それとも…」と別の友人に聞くと言われるほど、変化があった。彼はその著書の中で「自分は子供の時から神を探してきたが、出会ったのは悪魔だった」と述懐している。

(O)