世界日報 Web版

広がる和太鼓の絆


地球だより

 ブラジルに住んでいると、各種イベントで日本の伝統芸能やお祭りなどに縁のある出し物に触れる機会が多い。中でも日系人やブラジル人に人気の高いのが和太鼓だ。

 記者は多くの太鼓演奏をブラジルで見てきたが、最も強く記憶に残っているのが、2008年6月に最大の都市サンパウロのサンバドロモ(サンバ会場)で行われた「千人太鼓」だった。

 このイベントは「ブラジル日本移民百年祭」の記念事業として行われた。サンバ会場は毎年2月にサンバパレードが行われる場所で、数万人の観客を収容できる。通路も数千人規模のパレードを一度に行えるだけの広さがあり、そこを和太鼓と演者が埋め尽くした光景は圧巻だった。

 和太鼓の演奏が始まると、その音はサンバ会場を震わせるほどの迫力があり、記者も興奮しながら写真取材を続けた記憶がある。

 和太鼓演奏はブラジルで15年ほど前から広がりを見せ、今では2千人を超す会員を擁し、ブラジル全国から和太鼓チームが集まって大会を行うという。優勝チームは日本のジュニアコンクールなどに出場し、毎年のように何らかの賞を獲得するほどだ。

 最近では、ブラジルの若者の中にも和太鼓に興味を示す人が増え、アニメやコスプレなどのポップカルチャーと共に、日本とブラジルを結び付ける欠かせない文化として社会に受け入れられているようだ。

(S)